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厚生労働省通達 「ナノマテリアルの労働現場における ばく露防止等の対策について」

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1 対象とするナノマテリアル(省略)

2 対象とする作業

本対策において「ナノマテリアル関連作業」とは、ナノマテリアル若しくはこれを含有する製剤その他のもの(以下「ナノマテリアル等」という。)を製造し、若しくは取り扱う作業(試験研究のため製造する作業及びナノマテリアル等が使用されている設備、機器等の修理、点検等を含む。)又はナノマテリアル等が使用されている製品の廃棄若しくはリサイクル作業をいうものであること。

なお、「ナノマテリアル関連作業」には、日常的に反復・継続して行われることが少ない非定常作業も含まれるものであること。



3 ばく露防止等の対策について

(1)基本的考え方

・・・予防的アプローチの考え方に基づき、ナノマテリアルに対するばく露防止等の対策を講じることが重要である。

・・・ばく露防止等の対策を講ずるうえで参考となる知見を有し、これに基づいて予防的アプローチの観点から実効あるばく露防止措置を講ずることが可能な場合は、本対策に示した措置にかかわらず、独自の対応を図って差し支えないものであること。

(2)ナノマテリアルに関する調査

・・・ナノマテリアル関連作業で取り扱われるナノマテリアル等に関する情報を収集するように努めること。

なお、ナノマテリアル等を製造するメーカーから入手することが可能と思われる情報としては、電子顕微鏡写真、粒子サイズ、比表面積等のデータがあること。

(3)作業環境管理

ア 製造・取扱装置の密閉化等

・・・労働者のナノマテリアル等へのばく露のおそれがない場合を除き、製造・取扱装置(・・・)は原則として密閉式の構造とすること。

・・・特に、ナノマテリアル等の粉体を液体や樹脂に混ぜる作業は、労働者のナノマテリアル等へのばく露のおそれが高いことから、当該作業は製造・取扱装置に密閉化等の措置を講じ、又はグローブボックス内で行うこと

さらに、製品の廃棄又はリサイクルの作業においても、・・・労働者のナノマテリアル等へのばく露のおそれがある場合には、原則として密閉化等の措置を講ずること。

イ 局所排気装置等の設置

製造・取扱装置であって、密閉化等の措置を講ずることができないものが設置された作業場所については、・・・局所排気装置又はプッシュプル型換気装置(・・・)を設置すること。

ウ 排気における除じん措置

局所排気装置等排気口は・・・確実に外気へ排出されるようにすること。・・・その際、・・・ナノマテリアル等を捕集できるフィルターを備えた除じん装置を局所排気装置等に設けること。

使用するフィルターの選定に当たっては、・・・当該ナノマテリアル等の粒径、凝集の状態等を調査した場合、その結果に基づき、・・・適切なフィルターを選定すること。また、当該調査を行わない場合においては、HEPAフィルター又はこれと同等以上の性能を有するフィルターを使用すること。

エ 作業環境中のナノマテリアル等の濃度の把握

・・・作業環境中のナノマテリアル等の濃度の把握に努めること。この場合、定期的に・・・測定するほか、ナノマテリアル関連作業の状況に変化があったときに実施すること。

・・・ナノサイズの粒子の測定に用いられる機器の利用が困難な場合には、通常サイズの粒子を測定する機器である粉じん計等を用いること。

・・・可能な場合には、ナノマテリアル等の形状観察、組成分析等を行うこと。

(4)作業管理

ア 作業規程の作成

・・・ナノマテリアル等の取り扱いに関する作業規程を作成し、当該労働者に作業規程の内容を遵守させること。

なお、作業規程には、取り扱うナノマテリアル等の生体への影響についての情報及び作業環境に係る情報を盛り込むこと。生体への影響についての情報としては例えばMSDSの記載事項があること。

イ 床等の清掃

HEPAフィルター等ナノマテリアル等の捕集が可能なフィルターを備えた掃除機による吸引により行うこと。・・・吸引による清掃を行うことが困難な場合又は適当でない場合には、湿った布による拭き取りによって行うこと。

・ ・・拭き取りに使用した布は、不浸透性の破れにくい袋に封入して適切に廃棄すること。

ウ ナノマテリアル関連作業を行う作業場と外部との汚染防止

ナノマテリアル関連作業を行う作業場と外部とを区画し、その間に除染区域を設 ける等により、作業着等に付着したナノマテリアル等を外部に持ち出さないように適切に処理すること。

・・・ナノマテリアル等が飛散するおそれのある廃棄物は、不浸透性の破れにくい袋に封入して適切に廃棄すること。

さらに、ナノマテリアル関連作業を行う施設は、関係者以外の立入りを制限すること。

エ 保護具の使用
(ア) 呼吸用保護具
[1]
・・・労働者のナノマテリアル等へのばく露のおそれがないことが確認できないときには、ナノマテリアル関連作業に従事させる労働者に、有効な呼吸用保護具を使用させること。
有効な呼吸用保護具とは、送気マスク等給気式呼吸用保護具、粒子捕集効率が99.9%以上の防じんマスク又は粒子捕集効率が99.97%以上の面体形又はルーズフィット形の電動ファン付き呼吸用保護具であって、電動ファンの性能区分が大風量形のものであること。
なお、防じんマスク及び電動ファン付き呼吸用保護具については国家検定に合格したものを使用すること
[2]
呼吸用保護具の選定に当たっては、・・・別添「呼吸用保護具の選択の方法」を参考として、適切な防護係数の呼吸用保護具を選定すること。
また、防爆の措置の必要な作業場、暑熱の作業場、狭隘な作業場等、各作業場の状況に適合した呼吸用保護具を選定すること。
[3]
非定常時及び非常時における使用も考慮し、ナノマテリアル等のばく露を防止する適切な呼吸用保護具を必要な数量備え、有効かつ清潔に保持すること。
[4]
労働者に呼吸用保護具を使用させるに際しては、面体と顔面の密着性の確認を行わせ、適切な面体を選び、装着させる都度、当該確認を行わせること。
(イ) 保護手袋
・・・ナノマテリアル等が手に付着するおそれがあるものに労働者を従事させる場合には、ナノマテリアル等の皮膚への付着を防止する適切な材質の保護手袋を使用させること。
なお、保護手袋は、洗濯等によって清潔な状態を保持できる場合を除き、使い捨てとすること。
また、使用した保護手袋を廃棄する場合は、不浸透性の破れにくい袋に封入して適切に廃棄すること。
(ウ) ゴーグル型保護眼鏡
・・・ナノマテリアル等の粉体、ナノマテリアル等を含む飛沫等が当該労働者の目に入るおそれがあるときは、・・・ゴーグル型保護眼鏡を使用させること。
(エ) 保護衣
・・・ナノマテリアル等が当該労働者の作業衣に付着するおそれがあるときは、・・・専用の保護衣を着用させること。
なお、保護衣の材質は不織布のものが望ましいこと。
・・・廃棄等のため施設外に持ち出す場合は、当該保護衣を不浸透性の破れにくい袋の中に封入して、・・・施設外への拡散を防止すること。
オ 作業記録の保存

・・・労働者の氏名、・・・従事した期間・・・作業の概要の記録を作成し、長期間保存すること。

(5)健康管理

・・・労働安全衛生法又はじん肺法に基づいて行われた健康診断等により当該労働者の健康状況の把握に努めること。

(6)安全衛生教育

・・・作業規程及びナノマテリアル等の物理的・化学的特性、健康への影響、作業環境管理対策、呼吸用保護具の使用等のばく露防止等の対策、爆発火災防止対策等について教育を実施すること。

なお、呼吸用保護具については、呼吸用保護具の適切な選択、装着方法、マスク面体と顔面との密着性による漏れ率の測定方法及び密着性の確認の方法並びに保管・管理について教育を実施すること。

(7)その他の措置

ア 爆発火災防止対策

取り扱うナノマテリアル等の性状、製造・取扱装置、ナノマテリアル関連作業の工程、作業内容等に応じて、粉じん濃度の抑制、静電気の発生防止、製造・取扱装置内の酸素濃度の抑制等の措置を講ずること。

イ 緊急事態への対応

・・・あらかじめ、事故等が発生した場合に講ずべき対策を策定しておくこと。
・・・ばく露した場合の応急措置としては、クリーンエア中での除じんのほか、眼に入った場合には水で十分に洗眼し、吸入した場合にはうがい又は口内を洗浄し、飲み込んだ場合には吐き出し、うがいし、又は口内の洗浄を行うこと。



4 ナノマテリアルに関する情報の伝達等について

ナノマテリアル等に対するばく露防止等の対策を講ずるためには、取り扱う物質がナノマテリアル等であることを正しく認識できることが必要である。さらに、ナノマテリアル等の取扱い上の注意等に関する情報を入手することにより、適切なばく露防止等の対策を講ずることができる。このような情報はナノマテリアル等を譲渡し、又は提供する者が有していることから、当該者は当該物質がナノマテリアル等である旨、当該ナノマテリアル等の名称及び成分、取扱上の注意等を、容器又は包装への表示、文書(MSDS)の交付その他の方法により譲渡し、又は提供する相手方に伝達すること。

通達「ナノマテリアルに対するばく露防止等のための予防的対応について」(抜粋)

平成21年3月31日 基発第0331011号・0331013号


平成20年2月7日付け基発第0207003号「ナノマテリアル製造・取扱い作業現場における当面のばく露防止のための予防的対応について」は廃止します。





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